1 生き物とは?地球上に住む生き物の種類は、およそ1362万種だと言われています。この1362万種は、その姿や体の仕組みによって細かく分類されます。大ざっぱに分類すると、「界、門、綱、目、科、属、種」の7つに分かれ、その間に、「亜目、上科」などが入ります。 人間とジュゴンを例にとってみましょう。(図参照) 人間は地球上に60億人います。しかしみんなホモ・サピエンス(Homo Sapiens=学名)という同じ「種」です。同じように、沖縄産ジュゴンもインド洋産ジュゴンも同じデュゴング・デュゴン(Dugong Dugon=学名)という「種」です。 人間もジュゴンも「獣亜綱」までは一緒ですが、その後で「霊長目」と「海牛目」に分かれます。人間(ヒト)にたどり着くまで長いですね。一方の海牛目は、2科2属4種(+2亜種)しか現存していません。全生物1362万種の内のたった4種なのです。元々これだけ少ない生き物ですから、珍獣と呼ぶにふさわしいでしょう。霊長目は11科56属192種です。 さらに、長鼻目(ゾウ)や岩狸目(ハイラックス)と近い仲間でありながら、わざわざ「海牛目」として独立しているのは、地球上に現れた生命として、存在そのものがとてもユニークだからです。ジュゴンたちがひときわ大切な動物だというのは、こういう理由もあるのです。 |