このパンフレットは、別記40点の書籍や雑誌類の他、新聞のスクラップ等の資料をもとに、2000年3月に作られました。作ったのは、ジュゴン保護運動に参加している大阪の山口博哉（ひろや）という人で、1970年生まれ、東海大学・海洋学部を卒業した人です。

　ジュゴンは他の生物を攻撃しない、弱肉強食の野生の世界では珍しく平和な動物です。このジュゴンに日本人の姿がだぶって見えるような気がします。

　弱肉強食の国際社会で「平和憲法」という人類の壮大な実験を、身をもって体験している日本人。もしジュゴンが絶滅してしまうと、「結局、弱いものは負ける。平和憲法なんて理想でしかないのだ」という意見が正しいことになってしまう。正しいのかもしれない。しかし正しくあってほしくない。沖縄のジュゴンは、私たちにこう問いかけているのでしょう、「あなたたち人間はどんな未来を創っていくつもりなのですか」と。